Tracking by Detectionとは何か:HULIXが人流・点群解析で直面した実装課題
HULIXの実装経験をもとに、Tracking by Detectionの考え方、ID維持、遮蔽、Lost、点群解析での実装課題を解説します。
HULIXの実装経験をもとに、Tracking by Detectionの考え方、ID維持、遮蔽、Lost、点群解析での実装課題を解説します。
Tracking by Detectionは、まず対象を検出し、その検出結果を時系列でつないで追跡する考え方です。理屈はシンプルですが、現場で安定して動かすのは簡単ではありません。HULIXでは、スポーツ映像、PTZカメラ、人流解析、LiDAR点群、ロボット共存空間など、複数の領域で追跡技術に取り組んできました。その中で学んだのは、検出精度だけでは現場KPIは作れないということです。
人数カウントだけなら、各フレームで人が検出できれば成立する場合があります。しかし、滞留時間、行列、ゾーン遷移、回遊率、ロボットとの接近評価を出すには、同じ対象を同じIDとして追い続ける必要があります。IDが頻繁に切れると、3分滞在していた人が、30秒ずつの別人として扱われてしまいます。これでは現場判断に使えません。
追跡が難しくなる理由は多くあります。人同士の重なり、センサーの死角、急な方向転換、検出の欠落、似た形状の対象、ロボットと人のサイズの近さ、通路の狭さ。点群では、反射や点密度の変化も影響します。HULIXでは、対象の位置、速度、方向、サイズ、過去軌跡、ゾーン文脈を組み合わせ、IDをなるべく安定して維持する設計を行っています。
追跡ではKalman Filterのような予測モデルがよく使われます。一定方向に動く対象には有効ですが、現場では人が急に止まる、戻る、横切る、ロボットを避けるといった行動が起きます。このとき、単純な運動予測だけではIDが入れ替わったり、Lostが発生したりします。HULIXでは、運動モデルに加えて、ゾーン、進行方向、対象種別、現場ルールを使うことが重要だと考えています。
画像のTracking by Detectionでは、見た目特徴を使える場合があります。一方、LiDAR点群では、色や顔は使えず、形状、位置、速度、点群分布を手掛かりにします。これは難しさでもありますが、プライバシーに配慮しやすいという利点でもあります。HULIXでは、人、車両、ロボットなどを同じ空間内の移動主体として扱い、軌跡ベースで空間状態を構築します。
Trackingは裏側の技術ですが、顧客が見るKPIの信頼性を決めます。滞留時間、行列長、ゾーン遷移、危険接近は、追跡が安定して初めて意味を持ちます。HULIXがTracking by Detectionを重視する理由は、現場の改善判断に使える空間データを作るために、検出と追跡を分けて磨き込む必要があるからです。
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